ネットやSNSなどを通じて年々広がりを見せるセミリタイアですが、早期リタイア後の長い人生を自由に暮らして行くには、数千万~億単位のまとまった資金を準備しておかなくてはなりません。
自由な生き方や働き方を求めてセミリタイアしたいと思っても、自分の貯金では到底無理だと端から諦めてしまっている方も多いでしょう。
しかし、一般のサラリーマンや会社員の女性でも、お金を働かせて不労所得を得る資産運用を組み合わせることで、効率的に資産形成を実現しセミリタイアを叶えている方が大勢います。
本記事では、そんなセミリタイアと切っても切れない資産運用について基本知識や運用のコツ、初心者にもおすすめの資産運用方法までまとめてご紹介します。
本格的な投資は初めてで知識がない、セミリタイアしたいけど資金形成の方法が分からないという方は是非参考にしてみてください。
セミリタイアにどのくらい資金が必要かまだ知らないという方は、まず以下でご自身の年齢やタイプに合う記事を参照してみてくださいね。
年代別・世帯別のセミリタイア術
抑えよう!資産運用の基本知識
さて、突然「資産運用」といっても、経験のない方であれば何から始めたら良いのか困ってしまいますよね。
資産運用は資産を効率的に増やしていける可能性がある反面、失敗によって資産を減らしてしまう危険性も含んでいます。
必要以上に怖がる必要はありませんが、出来る限り安全に資産運用を行うためにも以下で基礎をしっかり理解しておきましょう。
資産運用とは?投資との違いは?
「資産運用」と共に使われることの多い「投資」という言葉。普段は違いを意識して使われることの少ないこの二つの言葉ですが、実は若干意味合いが違います。
資産運用とは手元のお金を活用(運用)して守りながら増やして行くことを指します。
一方、金融の世界における投資とは、利益を上げることを目的に不動産や債券、株などの金融商品に資産を投じることを指し、資産運用の手段の一つとして投資があると理解して頂いたらよいと思います。
投資におけるリスクとリターンの関係性
様々な金融商品に資産を投じ、その商品の値動きを利用して利益を出すのが投資ですが、いつも安定的に利益を出せるとは限りません。
自分の予想とは逆に値が動けば、元本割れといって投じた資産が減ってしまうこともあります。これが投資におけるリスクです。
また、投資においてリスクとリターン(利益)は振り子の関係にあります。
(参考:アセットマネジメントOne)
一般的には、高いリターンが狙える金融商品はその分リスクも大きく、控えめなリターンであればリスクも小さくなる傾向にあります。
中には、リスクを抑えながら比較的大きなリターンを狙える商品もありますが、一般的な原理としてはリスクとリターンは表裏一体ですので、ご自身の資産状況や目標に合わせて、無理のない適切な商品を選ぶことが大事です。
投資額・リターン別に資産の増え方をシミュレーション
では次に、投資で資産がどのように増えて行くのか、投資額・利回り別にシミュレーションをしてみましょう。
以下の表は、各投資元本をそれぞれ年利3%、5%、7%、10%で5年間複利運用した場合の資産の増え方を試算したものです。
複利運用とは、運用で出た利益を引き出してしまうのではなく、再投資して投資元本を増やしながら運用していく投資方法。投資利益を再投資しない単利運用の場合よりも効率的な資産の増加が見込めます。
投資額 | 年間利回り | ||||
投資しない | 3% | 5% | 7% | 10% | |
500万 | 500万円 | 576万円 | 638万円 | 701万円 | 805万円 |
1000万円 | 1000万円 | 1159万円 | 1276万円 | 1402万円 | 1610万円 |
2000万円 | 2000万円 | 2318万円 | 2552万円 | 2805万円 | 3221万円 |
3000万円 | 3000万円 | 3477万円 | 3828万円 | 4207万円 | 4831万円 |
4000万円 | 4000万円 | 4637万円 | 5105万円 | 5610万円 | 6442万円 |
5000万円 | 5000万円 | 5796万円 | 6381万円 | 7012万円 | 8052万円 |
※千の位以下切り捨て
ご覧の通り、投資をするとしないとでは5年後の資産額に大きく差が出ることが見て取れますね。あなた一人の労働収入では達成できない金額も、あなたのお金に一緒に働いてもらうことで射程圏内におさめることが出来るわけです。
資産運用による不労所得の獲得は、セミリタイア前の資産形成だけでなく、セミリタイア後の生活においても大いに役立ちます。セミリタイアした後は最低限の労働に抑えたいわけですから、自分の代わりにお金にも働いてもらわない手はないでしょう。
上記のシミュレーションは一例に過ぎませんが、野村證券のマネーシミュレーターなどの計算ツールを使用すれば、いつまでにいくら増やしたいなどの目標を入力するだけで、必要なリターンを簡単に算出することが出来ます。
目標利回りをあまり高く置きすぎると、リスクの高い運用商品を選ばざる負えなくなり、運用に無理が生じます。高いリスクを背負うより、場合によってはセミリタイア年齢を先延ばしするなどの見直しをするのが良いでしょう。
資産運用の意味や特性が分かったところで、次は投資商品の種類や特徴を見て行きましょう。
初心者向け!セミリタイア資金の運用におすすめな投資方法4選
一口に投資といってもその方法は様々で、ざっと挙げただけでも以下の通り10種類以上に及びます。
投資信託 | ファンドを選び投資すればファンドマネージャーが運用を代行、複数の投資先に分散投資してくれる。 |
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ヘッジファンド | 資産を預ければ、投資先の選択や運用はファンドに丸々お任せ。まとまった投資金が必要だが高いリターンに期待できる。 |
株式投資 | 国内外を問わず、取引所に上場されている株式を対象とする投資で、株式の売買益や配当金で利益を出す。 |
債券投資 | 国・地方自治体・企業が発行する債券を対象とする投資。債券を購入・満期まで保有することで利息を得る。 |
不動産投資 | 不動産の家賃収入や売買益で利益を得る投資方法で、投資にはまとまった資金が必要になる。 |
リート (REIT) |
不動産版の投資信託。 |
FX | 様々な通貨による外国為替取引を対象とする投資で、敷居は低いがハイリスクになりがち。 |
銀行預金 | 銀行に預金をし利息を得る。元本保証で安全だが世界的な超低金利下でほとんど増えない。 |
外貨預金 | 外貨建ての預金で利回りは高いが、手数料の高さと為替リスクの不確実性がネック。 |
保険商品 | 貯蓄と保険機能のセット商品。長期プランが前提で途中解約の場合は元本割れするほか、資金の流動性が低いのが難点。 |
そんな数ある金融商品の中から、今回は初心者でも比較的取組みやすく、リスクを抑えながらまとまった利回りに期待できる4つの商品をご紹介しましょう。
1.株式投資
期待利回り:4~7パーセント
まず最初に紹介するのは、企業が資金調達を目的に発行する株式を購入する株式投資。株式投資では、株の値上がりを待ち売却する売買益や、企業利益の一部を株主に還元する配当益で利益を出します。
国内の取引所(東証1部・2部、ジャスダック、東証マザーズ等)に上場されている株式は約4000銘柄で、これに加え海外銘柄にも投資可能。この中から、自らの目利きで値上がりが期待できる銘柄を探り当てるのが株式投資の醍醐味です。
株式投資のメリット
株式投資のメリットは、なんといってもコストの安さ。投資といえばどうしても利回りばかりに関心が向きますが、コスト抑制はとくに長期投資成功のカギを握ります。
ネット証券なら約定代金が100万円でも手数料が500円を切る水準。料率にすればわずか0.05%以下ですから、ほかの金融商品に比べて圧倒的にローコストです。
期待利回りは固くみても4%~7%と、利回り0.002%~2%ほどの銀行貯金や債券投資と比べまとまったリターンを狙いに行くことも出来ます。
株式投資のデメリット
株式投資のデメリットとしては、実際の運用や知識習得にかなりの時間が取られることが挙げられます。
投資信託やヘッジファンドと違い、株式投資では投資銘柄を選択から、株式購入後の動向チェック、売買タイミングの決定など全て自分で行う必要があります。ビギナーズラックはあったとしても、まとまった額を安定的に運用するにはある程度の経験と知識が必要でしょう。
もう一つのデメリットはリスクヘッジのための分散投資が難しいことです。単元株制度の導入により昔より最低購入単位が下がったとはいえ、株は最低100株単位で購入しなければいけません。
例えば、今話題の半導体株「東京エレクトロン」の株価は40,000円超なので、購入するには最低でも400万円前後の資金を一つの銘柄につぎ込まなくてはなりません。相当の投資元本があれば別ですが、そうでない場合、複数の優良株に分散投資するのは難しいかもしれません。
株式投資のコツ
言わずもがなですが、株式投資に欠かせない目利きの力をつけるには一に勉強、二に実践です。
経済情勢や景気さらには業績(業種ごとや企業ごと)を見通すファンダメンタルズ分析は必須です。株式投資家たるもの、最低でも会社四季報には目を通す習慣をつけましょう。
ファンダメンタルズ分析が出来るようになれば、次に学ぶべきはテクニカル分析力。チャートの読み方は最低でも身につけておく必要があります。
一通り勉強がすんだら、実際に株式を買いましょう。最初から大金をつぎ込むのではなく、少額から初めて、成功と失敗を繰り返しながら腕を磨いていくのがおすすめです。
株式投資の始め方
株式投資を始めるために、まず証券会社に口座を開設します。最近は本人確認を含めてすべてWebで完結でき、手続きのわずらわしさもありません。
また株式投資では、株の売買による譲渡所得や配当所得には20.315%の所得税(所得税15.315%+住民税5%)が課されます。株式投資をするのなら、年間120万円までの投資に対して非課税になるNISA口座で運用するなど、非課税制度を上手にうまくして節税を図ることも検討するとよいでしょう。
(参考:たあんと 株式のこと)
2.投資信託
期待利回り:4~7パーセント
投資信託では、複数の投資家から集めたお金をまとめて、ファンドマネージャーが様々な投資先へ分散投資を行います。僕たち投資家がすることと言えば、投資ファンドを選び入金するだけという手軽さです。
ちなみにファンドが投資する先は、国内外の株式、債券、現物商品(原油・金)から、不動産を投資対象としたREIT(不動産投資信託)まで幅広く、商品数は5000近くに上ります。
この中から、ファンドの過去の運用成績やリスク度合い、期待できるリターンなどの情報を参考に自分の投資スタイルの合った商品を選びます。
投資信託のメリット
投資信託のメリットは何と言ってもその手軽さでしょうか。数百円からという少額投資が可能な上、ファンドを選んで入金するだけで、ファンドマネージャーが100を超える銘柄で組まれたポートフォリオを元に分散投資をしてくれます。
複利効果は小さくなりますが、毎月分配型を選べば、定期的に利益を受け取ることも可能です。
投資信託のデメリット
投資信託のデメリットはコストの高さで、下落相場でも積極的に利益を狙えるアクティブファンドの場合などは、販売手数料が2~3%かかる以外に、預かり資産残高に応じて年1.5%前後の信託報酬が課されます。
その分リターンが安定的に出ていれば問題ないですが、投資信託の場合、運用成績の良し悪しに関わらず固定で手数料が掛かってしまうのはデメリットと言えそうです。
投資信託のコツ
投資信託で運用するコツは、上記のデメリットでも挙がった手数料を低く抑えること。比較的手数料が低いインデックス型の投資信託やETF(上場投資信託)を選び、コストを抑えることを意識しましょう。
また株式投資と同じく、節税としてNISAを活用を検討してみると良いでしょう。
投資信託の始め方
株式投資と同じく、証券会社で口座を開設して、選んだファンドに入金をすれば取引をスタート出来ます。まずはモーニングスターなどのサイトで過去の運用成績を参考に、優良ファンドの目星をつけておくとよいですよ。
3.ヘッジファンド
期待利回り:10パーセント~
聞き慣れない方も多いと思いますが、ヘッジファンドとは投資先の選定から実際の運用まで一括して投資のプロにお任せできる資産運用会社のようなものです。投資信託と似ていますが、実は色々と違いがあります。
投資信託 | ヘッジファンド | |
最低投資額 | 数百円~ | 1000万円~ |
手数料体系 | 運用金額に対し固定で発生 | 運用益に対する成功報酬 |
運用目標 | 指標に連動する相対収益 | 相場に関わらず利益を狙う絶対収益 |
期待利回り | 4~7% | 10%~ |
中でも一番特徴的なのは、相場変動に伴うリスクの軽減・回避にあります。ヘッジファンドは既出の投資信託とは異なり、運用手法にある程度の自由がきくことから、多種多様な手法を用いて、下落相場でも積極的に利益を狙いに行きます。
そのため、本来投資信託ではマイナスが出ているような局面でも、ヘッジファンドであればリスクを軽減したり、逆に利益を生み出すことも出来るというわけです。
ヘッジファンドのメリット
ヘッジファンドのメリットは、投資信託と同じく、資金を入金するだけで後の運用は全てお任せでき、初心者でもプロの手腕を借りて運用が出来ることです。
僕も経験者ですが、いざ投資を始めようと思っても、何百万・何千万という額を一度に投資など怖くてなかなか出来るものではありません。特にサラリーマンであれば平日は仕事に追われている訳ですから、投資に掛ける時間など限られていますよね。
手数料は発生してしまうものの、その分投資のプロが全力で運用してくれているので、投資家側はストレスフリーで資産運用をすることが出来ます。
ヘッジファンドのデメリット
ヘッジファンドのデメリットはその敷居の高さ。特に海外の名門ファンドになると最低投資金額は1億円以上となり、そもそも紹介がないと加入出来ません。日本の和製ヘッジファンドであれば敷居はぐっと下がりますが、それでも1000万円以上が一般的です。
もう一つのデメリットを上げるとすれば手数料が高いことでしょう。ヘッジファンドでは運用で得た利益に対して発生する成功報酬が主になりますが、それでも投資信託と比べると手数料はかなり高くついてしまいます。
ヘッジファンドのコツ
既出の通り、手数料が高いのがヘッジファンドの難点ですが、その分高いリターンを維持している優良ファンドを選べば、最終的にまとまった利益を手元に残すことが可能です。
逆に投資信託と同じくらいの利回りのヘッジファンドであれば、投資する意味はあまりないかもしれません。
ヘッジファンドの始め方
比較的敷居の低い和製ヘッジファンドを選べば、1000万円ほどから投資が可能です。国内でのヘッジファンド購入方法は、独立系ファンドと直接契約する形と証券会社を通して購入する形がありますが、直接契約ではない場合は手数料が二重で掛かってきてしまのでその分投資者の利益に響きます。
独立系ファンドの場合は公募は行っていないので、WEBサイト等を通じて直接コンタクトを取り、面談を経て出資するのが一般的です。
ちなみに僕も34歳の時、投資信託から一部引き上げ、BMキャピタルというヘッジファンドにお世話になっています。手数料は安いとは言えませんが、その分リターンが高いので長期投資前提ならおすすめできるヘッジファンドです。公式ホームページには情報が少ないので、興味のある方はBMキャピタル完全ガイドなどで詳しく調べてみると良いですよ。
4.不動産投資
期待利回り:4~5パーセント
不動産投資ではマンションなどを購入して賃貸による家賃収入を得たり、物件を購入・売却して売買益を得る投資方法です。
最近では売買益よりも家賃収入を期待して投資をするのが主流で、契約者が決まれば毎月安定的に家賃収入を得ることが出来るため、セミリタイアする人にとっては魅力でしょう。
不動産投資のメリット
不動産投資のメリットは実物資産への投資であることです。株式や債券の場合は経営破たん・デフォルトにより無価値となることもあり得ますが、不動産はそのものに価値があるので極端に価格が下がるような可能性は少ないです。
不動産投資のデメリット
株式投資などでは書類上またはWEB上で投資が完結するのに対し、不動産投資は対面でのやりとりが様々な場面で求められます。建物や敷地の状況など、現場の確認も欠かせないため、投資商品の中でも比較的手間が掛かってしまうのは不動産投資のデメリットと言えるでしょう。
また不動産投資では、ワンルームマンションでも都内であれば1000万円単位の資金が必要です。空き室による損失リスクを分散させるためには複数のワンルームを所有したいところですが、そうなると最低でも5000万円程の資金が必要になってきます。
不動産投資のコツ
不動産投資成功のコツはマメであることにつきます。たとえば、不動産の購入には、実地視察、交通や商業施設といった利便性調査が求められます。購入した後も、家賃設定・入居者募集・家賃徴収・入退去管理などが付いて回ります。
不動産会社や管理会社に全てお任せではなく、自分で必ず調べる、場合によっては足を運ぶ、実物投資には地道な努力が欠かせません。
手間暇は掛けたくないし、投資金が高額になるのがネックという方は、不動産投資信託であるJ_REIT(Jリート)でファンドを通して少額から投資するのもおすすめです。一般的な不動産投資のように定期的な家賃収入などはありませんが、一般の投資信託と同様、手数料を払う代わりに、ファンドを選ぶだけで手軽に複数の物件に分散投資を行うことが出来ます。
不動産投資の始め方
いきなりデベロッパーや不動産会社に相談するのは、「飛んで火にいる夏の虫」です。まずは物件のあたりをつけて、場合によっては現場を確認して構想を練ったうえで相談しましょう。
一方、上で紹介したREIT(不動産投資信託)の場合は、お近くの証券会社や銀行で1万円以下から簡単に購入することができます。
セミリタイア資金の運用失敗を防ぐコツ
さて、投資商品の種類や特徴が分かったところで、次は資産運用で気を付けるべきポイントについてお話しましょう。
分散投資は鉄則
投資格言に「卵を1つのカゴに盛るな」という言い伝えがあります。一つのカゴに全ての卵を入れていれば、カゴへの衝撃で、複数の卵が一度に割れてしまうことになるでしょう。一方複数のカゴに分けて卵を入れていれば、割れる卵を最小限に抑えることが出来ますよね。
(参考:厚生労働省ホームページ)
投資においても同じです。一つの銘柄だけに資産をまとめて投資したり、値動きの似通った商品だけに分散投資していては、一度の値動きで大きな損失を被らないとも限りません。
投資をするときは、株・債券・コモディティ・不動産など値動きの異なる複数の商品を組み合わせて資産を分散させることで、価格変動リスクを軽減するのが理想です。
余剰資金で投資する
余剰資金とは、生活費や非常時に備えるお金などを除いた、当面数年間使う予定のない資金のことを言います。投資では、いくらリスクヘッジを掛けていても完全にリスクのない運用することは不可能です。
セミリタイアを急ぎたいが故に、絶対に減らしてはいけないお金まで資産運用につぎ込んでしまうと、一時的な値下がりの際にも冷静な判断が出来ず、不適切なタイミングで売買してしなうなど傷口を広げることにもなりかねません。
投資は余剰資金で行い、かつ「下落相場では、いくらまで下がったら売る」などの自分のルールを予め作っておくと、万が一の際にも冷静に対処が出来るでしょう。
短期で高い利益を狙いすぎない
早くセミリタイア資金を稼ごうと気がはやると、より大きい取引を張りたくなります。初心者のうちは特に避けたいのが、小さな資金で高いポジションがとれる信用取引。FXではよく使われる方法ですが、うまくいけば大きな儲けが期待できる一方、失敗したら全財産を失いかねません。
また信用取引をしないにしても、短期でハイリターンを狙おうとすると、運用に無理が出てしまいがち。資産運用では基本的に短期的な値動きにとらわれない長期投資の方が安定した運用が出来ると言われています。
(参考:厚生労働省ホームページ)
特に限られた資金で生活するセミリタイアには短期投資は禁じ手とも言えるでしょう。
投資知識がないまま自己投資しない
どの金融商品で運用するにしても、ご自身で投資についての知識をつけておくことは非常に大事です。特に、株式投資や不動産投資、FXなどご自身で投資先の選択や運用をしなければならない場合は、言うまでもありません。
僕も昔FXで数十万を溶かした経験がありますが、生半可な知識では一二度のラックはあっても長期的に安定して利益を出し続けるのは至難の業です。
必要な情報が集まっていなかったり、十分に理解できていない場合には無理は禁物。自己運用は少額に留め、プロへ運用を委託する方法と併用するなど、リスクヘッジを徹底しましょう。
このような基本の注意点を良く守り、十分なリスクヘッジを掛けておくことで、比較的安全にかつ効率的に資産を増やして行くことも可能です。
投資でセミリタイアを実現した投資家ブログ・書籍
さて、セミリタイアときっても切れない資産運用ですが、セミリタイアの先駆者たちはどのような投資方法でセミリタイアを叶えたのでしょうか。
ここでは、投資でセミリタイアを実現するのに役立つブログや書籍を5つご紹介します。
『三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイア目指してみた』
URL:https://freetonsha.com/
一つ目に紹介するのは穂高唯希さんが運用するブログ『三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイア目指してみた』です。
管理人の穂高さんは、14歳から為替取引を、22歳から株式投資を始めました。その後大手三菱系起業に就職したにもかかわらず、入社初日にはセミリタイアを決意したとか。
米国株を中心とした投資で財を成し、30歳でセミリタイアを実現しました。ブログにはサラリーマン生活やセミリタイアに対する想い、セミリタイアをめざして実践してきた節約術や投資法などが赤裸々につづられています。
『40代でアーリーリタイアしたおっさんがたわら先進国株でベンツを買うブログ』
URL:http://tawaraotoko.blog.fc2.com/
二つ目は管理人のたわら男爵さんが運用する『40代でアーリーリタイアしたおっさんがたわら先進国株でベンツを買うブログ』。
たわら男爵さんは、40台でアーリーリタイアを実現し、かつベンツを買えるぐらいの財力を有しています。
そんなたわら男爵さんは、資産の6割をリスクを取った投資にあてており、たわら先進国株とバンガード・トータル・ワールドストックETF(通称VT)に投資されています。
インデックス投信を軸とした投資法について知りたい方は、たわら男爵さんのブログを参考にされてみると良いでしょう。
『4年早かったリタイア者の生活記録』
URL:http://happynaruzou.blog.fc2.com/
『4年早かったリタイア者の生活記録』を運用する管理人のなるぞうさんは、予定より4年早く40代半ばでリタイアされました。
なるぞうさん場合、仕事はされず、投資信託と株式自動売買だけで生きていく完全リタイア生活を送られています。投資損益も毎月公開されており、不労所得でのリタイア生活のリアルを知ることが出来ます。
『本気でFIREをめざす人のための資産形成入門 30歳でセミリタイアした私の高配当・増配株投資法』
既出の「三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイア目指してみた」で紹介した穂高唯希さんは実は本も出版されています。
「支出の最適化」と「収入の8割を投資に回す」の実践により、金融資産7000万円を確保したプロセスをつまびらかにします。資産運用にとどまらず、生き方や価値観、セミリタイアや投資に対するスタンスまで語った読み応えのある一冊です。

『セミリタイアしたい人の投資ガイド』
山本 常勝の著書「セミリタイアしたい人の投資ガイドーありそうでなかった株式投資と不動産投資の本」では、セミリタイアを登山にたとえ、ゴール(リタイア資金確保)にたどり着くまでのさまざまな道のりや性格的な相性について考えます。
具体的には、株式投資・不動産投資を軸とし、5%・10%・20%と目標利回り別に、実現可能な戦術をわかりやすく紹介してくれます。

まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
本記事では資産運用の基本の考え方や投資商品の紹介、投資における注意点や資産運用でセミリタイア生活を送る方のブログなどをご紹介しました。
資産運用をしなくても働いていれば少しずつ貯金は貯まっては行くでしょう。しかし、一般的なリタイア年齢よりもうんと早いリタイアを目指すのであれば、効率的な資産形成は必須です。
投資は無理のない運用計画を立てるのが一番の成功の秘訣。リスクを抑えた投資を心がけつつ、セミリタイア後のアルバイト収入と相互補完させ、無理のない余裕のある資金確保につなげましょう。
