セミリタイア後の暮らし

セミリタイア後に国内・海外移住するならどこがおすすめ?

セミリタイヤ後に移住するなら?海外・国内人気移住先

念願かなってセミリタイアを果たしたなら、通勤に便利だからと選んだ駅近のマンションに住み続ける必要はありません(もちろん気に入ってるなら別ですが)。

セミリタイアで自由の身となったからには、ご自身の「住みたい!」と思う場所を好きに選んで構わないのです

しかし、以前から住みたかった場所があったという人がいる一方で、突然「自由に選んでよい」と言われても、正直どこが良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、セミリタイア後の海外や地方への移住について、費用面でのメリットやおすすめの都市、よくある失敗談や先輩移住組のブログなど、お役立ち情報を紹介します!

リタイア後は海外や地方に拠点を移すのもあり

セミリタイアを目指す上で忘れがちなのが、セミリタイアはゴールではなく、あくまで自由を得るためのスタートに立ったに過ぎないという事です。

セミリタイア後に思い描いた自由な暮らしが出来て初めて、セミリタイア成功と言えますが、そこで大切になってくるのが「どこで暮らしていくか」です。

セミリタイア後は住まいの選択肢がぐっと広がるわけで、田舎暮らしを楽しんだり、海外への脱出も夢ではありません。

加えて、セミリタイア後に掛かる生活費は住む場所によっても大きく変わってきます。セミリタイア後は会社員時代と比べて収入がぐっと減ってしまうので、今まであまり気にしてこなかった家賃や食費、雑費や光熱費なども重くのしかかってきます。

首都圏などの物価の高い地域に住んでいる方は特に、生活費を低く抑えるためにも「移住」という選択肢は検討しておきたいところ。では具体的に移住先探しのポイントやおすすめの都市、メリット・デメリットを見て行きましょう。

セミリタイア後に国内移住するなら

国内移住のメリットとしては、

  • 家賃や物価が安い
  • 住居費の安さを利用して広い家に暮らせる
  • 小さい子供がいれば保育園に入れやすい
  • 安価で新鮮な地元生鮮食品が手に入る
  • 近場に自然やレジャー施設がある

など様々なメリットが挙げられまが、何と言っても一番のメリットは家賃の安さでしょう。以下は1Kの物件の全国相場を示したものですが、地方では首都圏の半額ほどで暮らせるエリアも多いようです。
1Kで見る家賃相場比較
(参考:ホームアドバーク 1Kで見る家賃相場比較)

地方でも県庁所在地や人口の多い都市への移住であれば、買い物・仕事・通院などに関しても利便性の面で東京と大きくは変わらないでしょう。

一方で地方へ移住するデメリットとしては、

  • 田舎すぎると買い物や食事をする場所が少ない
  • 公共の交通インフラが少ない
  • 仕事の選択肢が少ない(オンラインを除く)
  • コミュニティーと濃い人間関係

などが挙げられます。地方でもある程度人口の多い都市であれば不便さは感じないかもしれませんが、より田舎への移住となるとデメリットを感じる機会も多くなるかもしれません。特に、田舎では車は必須と言われるように、公共交通機関だけでは不便さは否めません。

移住先探しのポイント

管理人の考える移住探しのポイントは以下の3つです。

  1. 生活費が安くつくこと
  2. 地方都市に近いこと
  3. 気候が良いこと

移住地探しのポイント1:生活費が安くつく(物価が安い)

既出の通り、同じ日本国内でも住む場所によって物価は大きく違います。特に九州や四国地方は全般的に物価が安く、もっとも物価が高い東京都を100とすると沖縄県は84.7、宮崎県は87.4、愛媛県も88.2といずれも90を切っています。(参考:総務省統計局)

とくに差が大きいのが家賃などの住居費で、東京を100とすると最も安い沖縄県は45.4、愛媛県は48.2と半分以下になります。住居費は生活費の中でも高い割合を占めますから、家賃を抑えることで生活費もぐっと下げるとが出来ます。

移住地探しのポイント2:都市に近い

ずっと東京暮らしだと「地方は不便で何もない」との先入観を抱きがちですが、人口10万人前後の中小都市規模でも、ファミレス・コンビニ・ファーストフードには不自由せず、街道沿いには巨大ホームセンターが軒を連ねています。医療施設もことのほか充実しており、不慮の病気やケガも心配ありません。

さらに地方の特性を生かした巨大ショッピングモールなら、東京のように何店舗もはしごをしなくとも、買い物・食事・娯楽まで一つの場所で完結でき、それこそ1日中楽しめます。

県庁所在地や県内中核都市ならさらに商業施設・公共施設が充実しており、便利さの面では東京とそん色ありません。その一方で、海や山には車で30分以内ですから毎週気軽に自然を楽しめます。地方都市暮らしは、自然と便利さを両方楽しめるというわけです。

移住地探しのポイント3:気候が良い

最近の研究によると、人間の免疫細胞は寒い気候にさらされると減少を続け、結果的に病気にかかりやすく寿命も縮む可能性が高いようです。

たとえ免疫細胞が減らないにしても、移住するならわざわざ雪深い場所を避けるにこしたことはありません。寒い地方での暮らしは家計へも響き、47都道府県で最も光熱費が高いのは青森県・北海道・山形県と北日本エリアがトップ3を占めています。

その他移住先探しのポイント

セミリタイアは、短時間の仕事による生活費の補填を前提とするリタイアスタイルです。希望の居住先に確実な収入源を確保できる働き先があるかというのも移住地選びの大事なポイントになるでしょう。

逆に住みたい場所があるが、現地でのアルバイトは難しそうだという方はクラウドソーシングなどによるオンラインワークで収入を得る方法を検討してみるのもよいでしょう。

セミリタイヤ後におすすめの仕事・アルバイト
セミリタイア向けおすすめの仕事・アルバイト11選セミリタイア後は自由な時間を阻害しない程度に、短期間や短時間バイトなどの最低限の仕事で収入を得ながら生活するのが基本です。本記事ではセミリタイア後に検討したいおすすめの仕事11選のほか、仕事をする上での注意点やメリットなども併せてご紹介します。...

セミリタイア生活に良さそうな都市例

福岡県糸島市

福岡件福島市の西部に位置する糸島市は人口10万人弱の小都市です。ちなみに福岡県の物価水準は東京を100とすると、90といったところです。(参考:総務省統計局)
福岡件糸島市(参考:福岡県糸島市公式ホームぺージ)

美しい海岸線が続く糸島は、女子に人気のインスタ映えスポットとしても有名。加えて地元の食品スーパーでは、牡蠣やアオリイカなど「糸島ブランド」の新鮮な海産物が手に入ります。

利便性の面では、県庁所在地の福岡市まで車で30分なので通勤・ショッピングにも便利。さらに福岡国際空港・九州新幹線博多駅・博多港からは、国内各地のみならず海外にもアクセスできます。最近は首都・中京・近畿圏からの30代・40代を中心とした家族も増えているので、移住組としては安心です。元アップルのデザインエンジニアで現在はコーヒープロダクトのデザイン・製造に携わっているアカチチ ダグラス・ウェバーさんも、糸島を拠点に活躍している移住者の一人です。

愛知県豊田市

愛知県北部に位置する豊田氏は人口42万人の中核都市で、愛知県の物価水準は東京を100とすると91~92といったところです。(参考:総務省統計局)
愛知県豊田市
(参考:愛知県豊田市公式ホームぺージ)

ご存じの通り世界企業トヨタの本拠地であり、周辺には一次下請け・二次下請けも集積し、仕事探しには事欠きません。意外に思われるかもしれませんが、豊田は自然あふれる土地柄でもあります。愛知高原国定公園にも指定されている市内郊外には天狗山・井山・三国山といった標高1000mクラスの山地が点在し、豊かな自然と独自の文化を形成しています。

三ケ日(浜松市)

静岡県西部・浜名湖北岸に位置する三ケ日(旧三ケ日町:市町村合併により浜松市北区に編入)は、温暖な気候の土地柄で、三ケ日ミカンの産地としても有名です。
浜松市三ヶ日
(参考:ふじのくに美しく品格のある邑づくり(静岡県))

利便性の面でも、浜松中心部までは車で40分程度でアクセスでき、イオンモール浜松志都呂までも車で30分です。物価水準は90.3といったところです。

もちろんここに挙げた都市以外にも、馴染みのある都市や土地勘のある都市、あなたのやりたかったことが出来る都市に移住してみるなど、選択肢は豊富にあります。

既出のポイントに気を付けながら、いくつかの都市をピックアップし、セミリタイア前に旅行などを兼ねて下調べをしてみると良いでしょう。

セミリタイア後に海外移住するなら

セミリタイア後に海外移住するメリットは、

  • 生活費が安くつく
  • 異なる文化や生活を体験できる
  • 気候が良い
  • 災害がすくない
  • 人間関係に縛られない

などが挙げられますが、中でも一番のメリットは何と言っても物価の安さでしょう。インフレと所得水準向上で昔ほどではなくなったとはいえ、とくにアジア地域における物価の安さは大きなメリットの1つです。

ご存じの方も多いと思いますが、世界各国の物価水準を比較する目安として、エコノミスト誌が毎年公表するビッグマック指数がしばしば使われます。

マクドナルドは、各国における店舗スタッフの賃金、光熱費、店舗の家賃、食材の仕入れコストなどを総合的に判断してビッグマックの販売価格を決めています。世界各国において同じクオリティ・仕様(具材と包装)で販売されているビッグマックの価格は、物価水準を測るのに最適なのです。

ビッグマックの値段例

日本:ビッグマック一つあたり3.64ドル

▼日本より値段の高い国
アメリカ:5.71ドル、オーストラリア:4.58ドル、韓国:3.75ドル。意外にもタイが4.08ドルで、「タイは物価が安い」というのはもはや昔ばなしなのかも。

▼日本より値段の安い国
台湾:2.44ドル、インドネシア:2.36ドル、香港:2.64ドル、インド:2.53ドル等。

他にも、異文化体験が出来たり、旅行気分を味わいながら生活ができるのも海外移住の醍醐味。また管理人の私見では、海外の方が日本よりも人間関係があっさりしていて、他人にどう思われるだろうなどと頭を悩ますことは比較的少ないように思います。

さて良い面がある一方、セミリタイア後の海外移住にはデメリットもあります。

  • 言語の壁や生活習慣のギャップ
  • 治安の問題
  • ビザが必要な場合がある
  • オフラインでは仕事を探しづらい
  • 医療面での不安

などが挙げられますが、何より言葉や生活のギャップに抵抗感がある方であれば海外生活は辛いでしょう。国によっては日本と比べると治安が悪かったり、移住するためのビザの手続きが面倒な国もあります。

また日本のクラウドワークスなどからオンラインの仕事を得る場合でなければ、現地での仕事探しが必要になりますが、海外で仕事をするには「その国の言葉が話せること」が大前提です。ネイティブのようにジョークを飛ばしあうレベルでの語学力は必要ないですが、プライベートやビジネスで使う日常用語が理解できるレベルは欠かせません。

移住先探しのポイント

僕の考える海外の移住先探しのポイントは以下の3つです。

  1. 治安が悪くないか
  2. 生活費が安く抑えられるか
  3. 食や生活・気候が自分に合うか
  4. 医療施設や制度が整っているか

移住地探しのポイント1:治安が悪くないか

シンクタンクの経済平和研究所の「世界平和度指数(Global Peace Index)」によると日本の治安は2020年12月時点で世界第9位。つまり世界の大半は日本より治安の良くないということです。

治安の悪さにも度合がありますが、日本に住むのと同じ感覚では住めないという事は意識しておくべきでしょう。世界各国の治安に関する情報は外務省のホームページ上でも確認できますし、実際に現地に住んでいる方のブログなども良い情報元になります。

移住地探しのポイント2:生活費を安く抑えられるか

会社員時代に仕事で海外移住する場合などは、あまり気に掛ける必要はないかもしれませんが、セミリタイア後に海外移住するのであれば物価が安いに越したことはありません。

GOBankingRatesの生活するためのコストが高い国ランキングによると、日本は世界で8番目に生活費が高い国という結果が出ています。

以下、ランキングの一例(ニューヨークの生活費指数を100とする)。

8位:日本 生活費指数 86.58
16位:韓国 生活費指数 82.94
24位:カナダ 生活費指数 72.48
29位:台湾 生活費指数 65.42

アジア・南米・中東・欧米なども近年は経済成長とともに物価が上昇してはいるものの、それでも日本よりは安く暮らすことが出来ます。物価の安い国を選べば、少ない生活費で会社員時代と同水準の生活を送ることも可能でしょう

移住地探しのポイント3:食や生活・気候が自分に合うか

日本は世界で見ると、暑すぎず寒すぎず気候の面では恵まれた国と言ってもよいでしょう。生活費が安く抑えられる東南アジアでは、雨季があったり年中気温が高かったりと日本と同じようにとは行きません。

また海外では、イスラム教の方が多い国では豚肉の販売に規制があったり、香辛料のきいた辛い食事が中心だったり、公共のお手洗いが清潔でなかったりなど、生活や食文化の違いにも順応しなくてはなりません。

行ったことのない国や情報のない国への移住などはもってのほかで、移住先を決める前には現地に赴き、自分の肌に現地の生活が合うかをしっかりと確かめておく必要があります

移住地探しのポイント4:医療施設や制度が整っているか

医療水準は国によって様々ですが、特に発展途上国などに移住する場合には現地に十分な医療施設が整っているのかなど、移住先の医療事情について情報収集をしておく必要のがおすすめです。

また万が一の際、現地の社会保障制度では不十分な場合も多く、海外移住される際には海外健康保険などの加入も検討されるのがよいでしょう。各国の医療事情は外務省の「世界の医療事情」などでご確認いただけます。

セミリタイア生活に良さそうな国

以上4つのポイントから管理人がおすすめするのはマレーシアとフィリピンです。タイも条件としては悪くないですが、英語が浸透しているという点ではこちらの二か国がおすすめです。

マレーシア

公用語 英語・マレー語
時差 1時間
首都 クアラルンプール

マレーシアは人口3000万人強、物価水準は日本より若干低めです。平均気温は27度で、1年中寒さを感じずに過ごせます。熱帯雨林や透き通った海など、南国の豊かな自然も身近にあります。
セミリタイア移住先マレーシア
マレーシア人気の1つが仕事のしやすさで、日系企業が営業・技術職を採用しているほか、英語力が問われない日本人顧客向けコールセンターでの採用も盛んです。

もちろ暮らし方にもよりますが、単身一人暮らしであれば月10万円ほどで、二人暮らしなら15万円程あれば生活が可能です。

仕事をしながら長期滞在するにはビザが必要で、ビザ申請には50歳未満の場合は最低50万リンギット(約1350万円)以上の財産証明と月額1万リンギット(約27万円)以上の収入証明が必要ではありますが、他の比べて比較的ビザも取りやすいです。

一般財団法人ロングステイ財団の調べでも常に移住先人気上位に入る人気移住国です。

フィリピン

公用語 英語・フィリピン語
時差 1時間
首都 マニラ

フィリピンもマレーシアに次いで、日本人に人気の移住国です。人口約1億人、物価は日本より2割近く安くなっています。年平均気温は26~27度と温かく、一年を通して日本のような大きな気温差は大きくありません。
セミリタイア移住先フィリピン
マレーシアと同じくフィリピンも英語が公用語になっているので、英語が問題ない方であれば言語で苦労することは少ないでしょう。

フィリピンでは地域によって治安の差が大きく、比較的治安が良く住みやすい地域としては首都のマニラ・セブ島・ダバオなどが挙げられます。都市部の暮らしが好きならマニラ、自然に囲まれて暮らしたいならセブ島やダバオがいいでしょう、

フィリピンでの生活費はどこに住むかでかなり差が出てきます。首都のマニラに住むなら10万~15万円程で快適な暮らしが出来るので、もう少し水準を落とせばマニラでもより安く暮らすことも可能でしょう。一方地方であれば10万円以下で十分暮らしていけるといった印象です。

永住権の取得も比較的簡単で、条件となる資産額のハードルももそれほど高くないので、セミリタイアの資金を貯めている方であれば問題にはならないでしょう。

セミリタイア後の移住で失敗

セミリタイア後の移住生活も、残念ながら思い描いたようにうまくいくケースばかりではありません。ここでは移住生活にまつわるいくつかのストーリーをご紹介します。

失敗例1:アウトドアを楽しもうと失敗

Aさん(43歳・既婚・子供2人)は、今までずっと仕事一筋、趣味は休日に子供と楽しむ任天堂スイッチくらいでした。そんなAさんは実はずっと田舎暮らしにあこがれており、自然に囲まれたなかでキャンプ・家庭菜園・フィッシングにいそしむ生活を夢見ていました。

40代に入りついにセミリタイアを実現しますが、思い描いた「アウトドアを楽しむ毎日」はそれほど簡単ではありませんでした。

家庭菜園も、庭に種をまけば終わりではなく、土は何を使えばいいか・植える時期はいつか・比較的手入れの易しい作物は何かなど知らないことだらけ。フィッシングも竿をもって防波堤に出かけてみましたが、餌も仕掛けも潮目もわかっていないのですから当然のごとく魚はかかりません。

キャンプも同じで、慣れていなければテントを張るのに2時間以上かかります。意外と面倒なのが帰ってきてからで、テント・シュラフ・バーベキューコンロやトングなどの道具類を洗ったり乾かしたりしなければいけません。お手入れを怠り汚れたまま放っておくと、次に出かけるときに困ったことになります。

結局Aさんは、いろいろと手をつけるのをあきらめ、今では家庭菜園1本に趣味を絞っています。せっかく育てたほうれん草がアブラムシにやられ、ナスは水・肥料をやりすぎてちゃんと育たずとトライアンドエラーの毎日ですが、うまく実がなるときはうれしいものです。

セミリタイア後の移住生活では、お財布事情や生活様式ががらっと変わる場合があります。今まで経験をしたことのないことに挑戦するのであれば、それなりの下調べと覚悟が要りそうですね

失敗例2:田舎すぎて失敗

Bさん(37歳・既婚・子供なし)は35歳でセミリタイア。夫婦とも東京生まれ東京育ちでしたが、あこがれの田舎暮らしを静岡県でスタートしました。移住先に選んだ土地は大井川上流の山あいで、中核都市である静岡市街まで車で2時間近くかかります。

周囲には商業施設が極端に少なく、地元の食品スーパーもやはり車で30分、ファーストフードやファミレス、コンビニも近くにありません。

もう1つのネックは周囲の目です。地方に行けば行くほど先祖代々からその土地に根差した住民が強固なコミュニティーを築いていて、「よそ者」を簡単には受け入れず好奇の目に触れることもあります。

消防団・自治会など、コミュニティのさまざまな役割も楽ではありません。とくにその地区は人口も少なく引き受け役も少ないので、とくに20~40代の現役世代にお役目が回ってきます。せっかくセミリタイアで仕事から解き放たれたBさんですが、今度は地域の仕事や人づきあいに振り回される毎日です。

努力の甲斐あってようやくコミュニティーに受け入れられたBさん夫婦ですが、ときに「これでよかったのか」との想いがよぎります。

失敗例3:物価が安いはずのアジアで失敗

物価の安さと気候の過ごしやすさに魅力を感じ、Cさん(既婚・子供1人)がセミリタイア後にインドネシア首都ジャカルタへの移住を決意したのは10年前です。

実際にインドネシアの物価は安く、日本のおよそ3割~4割といった感じです。Cさんが移住した10年前は2割弱と超格安でしたが、現地の物価上昇によりその差は年々埋まっていきました。

日本ではここ30年から40年にわたりほとんど物価が上がっていませんが、60~70年代の高度成長期には5%以上、激しい年は2桁ベースで物価が上昇していました。インドネシアの現状は当時の日本と似ていて、低い年でも3%、高いと8%を超える年も珍しくありません。

このように物価の安さに惹かれて移住したにも関わらず、現地の急速なインフレによりその恩恵を受けづらくなっているのは事実です。海外移住するのであれば今の物価状況だけでなく経済状況や今後の見通しについても情報収集しておくべきでしょう

セミリタイアの先輩方に学ぶ!移住者ブログ

この章では、国内・海外移住を実現した先輩セミリタイア組のブログを紹介します。

国内移住したセミリタイアブログ

『東京から地方移住して1年半。住んでわかったメリット・デメリット』

URL:https://blog.freelance-jp.org/20200623-9807/
セミリタイア糸島市移住ライターのsatomi toyotaさんは元住宅情報誌などの編集者で、2018年に家族5人で福岡県糸島市に移住しました。記事内では移住のデメリット・デメリットを紹介していますが、実体験に基づいているだけに、強い説得力を感じます。3人のお子さんのお母さんである筆者の視点は、お子さん連れで移住を検討している方に特に参考にいただけるでしょう。

『その先の軽井沢へ』

URL:https://profile.ameba.jp/ameba/miccy20201110/
セミリタイア軽井沢移住ライターのfuga2020さんは避暑地軽井沢の移住組で、ジモティーが見過ごしてしまうような四季の風景・地域の歴史・培われた文化を紹介すると同時に、なにげない移住生活の日々をつづっています。

海外移住したセミリタイアブログ

『50歳からの海外移住生活』

URL:https://blog.goo.ne.jp/aikofallows
50歳からの海外移住生活ライターの「風とカモメの街に暮らして」さんは50代でイギリス南部に移住、ピアノ教師・日本人ガイド・犬の散歩といった仕事を営みつつ生活しています。ブログでは、イギリスの医療事情・海外での老後不安等を思いのままつづっています。

『株で暮らすマレーシア 快適超長期滞在』

URL:http://freeoverseas.seesaa.net/
マレーシア移住生活ブログの管理人さんは50代でマレーシアに移住し、イポーという町で株式投資による収入を主に生活をされています。ブログ内では、マレーシアでの日々の生活や移住しようと思った理由など、とにかくマレーシアに関する情報が満載です。

移住人気ナンバーワンのマレーシアでの生活について詳しく知りたいならこのブログはチェックしておくとよいでしょう。

セミリタイア後の移住先まとめ

新しいところに引っ越すときは、だれでも不安にかられるものです。それが一度も暮らしたことのない地方や、ましてや海外ならなおさらでしょう。

しかし会社勤めをしていれば「住みたい場所を自由に決められる」チャンスのある方はほどんどいないでしょう。折角セミリタイアするのであれば、経済的な面でも、また精神的に豊な生活を送るためにも「移住」という選択肢を検討してみるのがおすすめです

十分な下調べをするべきなのは言うまでもないですが、思い切って一歩踏み出せば意外と大丈夫なものです。実際多くの先輩たちも「なにをあんなに悩んでたんだろう」と移住当時を振り返っています。きっと、住めば都ですよ。

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